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ストレスマーカー(唾液αアミラーゼ活性(sAA))を用いた評価について

 ある研究(介入の効果の判定)を行うのにストレスマーカーの一つであるsAAを用いることが適当であるか検討依頼を頂いたので,調べてみました.

 

唾液アミラーゼは

1:交感神経-副腎髄質系 → ノルエピネフリンの推定

2:直接神経作用 → 応答時間は数分と短い

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出典:「唾液マーカーでストレスを測る」山口昌樹,日薬理誌129,80~84,20071)

 

介入直後に測定すればその効果を測ることは可能.ゆえに急性なストレスに対する反応はわかるものの慢性的なもの(介入後直ちに測定せずある程度時間をおいたとき)に関しては,測定時の直前の状態が測定値に反映されてしまうことが想定される.

 

実際に刺激を与えて測定した研究

 

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「ストレス評価における唾液αアミラーゼ活性の有用性」萩野谷浩美,佐伯由香,日本看護技術学会誌 10(3), 19-28, 20122)図3を加工して作成(sAA以外のグラフを削除)

 

直前の状況(安産,足浴)によってスコアが変化するものの,終了2分で既に値が直前の状況を鑑みると,暴露中~直後に測定の必要がある.

他の研究でも同様に刺激後10分程度でスコアの変化が見られなくなっている.

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出典:「スピーチによる唾液アミラーゼの変動と達成感の関連」國橋孝寛他,人間環境学研究 11 巻 1 号,7-12,20133)

 

 こちらの研究では模擬公務員面接試験を行って測定したものです.

 

 

長期的に唾液アミラーゼの変動と主観的ストレスを測定した研究もされています

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唾液アミラーゼ活性の長期的個人内変動と主観的ストレスとの関係」入江正洋他,健康科学. 33, 39-45, 20114)

 

「 唾液アミラーゼ活性は,血圧と同じように主観的ストレス度を反映する可能性が示唆される」(参考文献4より引用)とのことである.しかしながら変動幅を考慮すると一回の測定のみではなく複数日に渡った測定を行い評価したほうが良いように思われます.

 

相談の内容をざっくり振り返ると,ある状況の被験者が一定期間内にあるサービスを利用し,その評価はサービスの利用時期に関わらずある決められたタイミングで行ったらどうだろうという話でした.

そこでsAAの測定の話が登場したわけで・・・.介入そのものの効果をみるのであれば,提供前と直後の測定が一番良いように思いますし,介入することで日常生活における様々なストレスを軽減する方向に作用する話をするのであれば,測定は一回ではなく丁寧に期間内の変動を追った方が良いだろうというところです.

 

参考文献

1)唾液マーカーでストレスを測る(山口昌樹,日薬理誌129,80~84(2007))

https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/129/2/129_2_80/_pdf

 2)ストレス評価における唾液αアミラーゼ活性の有用性(萩野谷浩美,佐伯由香,日本看護技術学会誌 10(3), 19-28, 2012)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnas/10/3/10_19/_pdf

3)スピーチによる唾液アミラーゼの変動と達成感の関連(國橋孝寛他,人間環境学研究 11 巻 1 号,7-12,2013)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/shes/11/1/11_7/_pdf

4)唾液アミラーゼ活性の長期的個人内変動と主観的ストレスとの関係(入江正洋他,健康科学. 33, 39-45, 2011)

https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/20699/p039.pdf